@nqounetです。
第3回では、ウェブアプリの書く上で便利な仕組みであるルーティングを解説しました。
サンプルの元ネタはMojolicious
のドキュメント日本語版のMojolicious::Lite
にあります。あるいは、本家のチュートリアルです。
- Mojolicious::Lite · yuki-kimoto/mojolicious-guides-japanese Wiki
- Mojolicious::Guides::Tutorial - Tutorial
というわけで、第4回はパラメータを読み取る方法について書いてみたいと思います。
パラメータ
CGIの時代からそうですが、何故ウェブアプリが必要か、というと、フォームに入力されたものを処理したい、というのが一番大きいのではないかと思います。
今でもシンプルなウェブアプリとして、メールフォームがありますね。
フォームの情報を取得するには、本来はブラウザがフォームをどのように送信してくるのかを知っておく必要がありますが、そういう部分はフレームワークがうまくやってくれます。
私たちが必要なのは、フォームの部品の名前だけです。
サンプルコード全体
Mojolicious
のバージョンは5.75で確認しています。
ファイル名はなんでも良いですが、ひとまずmyapp.pl
と考えてください。
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Line 1 - 2
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Mojolicious::Lite
を使うと、フレームワークの機能が使えるようになるだけでなく、モダンなPerlで書くことができるようになります。
Line 4 - 7
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アプリケーションのルート('/'
のこと)にアクセスすると、subの中身が実行されます。
コントローラーのredirect_to
メソッドは、HTTPのリダイレクトのレスポンス(HTTP 302)を返します。
何処へリダイレクトするかについては、引数で指定します。
今の場合は、'/foo?user=nqounet'
が、新しいURLになります。
第1回でもこのような手法を使っていますが、アプリケーションのルートにアクセスすれば、そのサンプルのメイン部分にアクセスできるようにしておくとアドレスバーへの入力が楽で良いと思います。
Line 9 - 13
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ここが今回のメインです。
コントローラーのparam
メソッドは、フォームなどに入力された値を取得するメソッドです。
引数にフォームの部品の名前を渡すと、その部品の値を返します。
今の場合は、'user'
が引数なので、フォームのuser
という名前の部品の値を返します。
今回はフォームには入力していませんが、リダイレクトして、フォームから入力したのと同じようにアクセスする形になっています。
さて、値の取得と同時に代入しているので、$userにはuser
の値が代入されています。
そして、次の行でrender
メソッドによって文字列を出力します。
その文字列に$user
が含まれているので、このサンプルでは結果的にフォームのuser
の値が画面に出力されることになります。
なお、qq{...}
というのはダブルクォーテーションの別の書き方です。
Perlでは、ダブルクォーテーションの中では変数が展開されますのでこのように書くことができます。
また、シングルクォーテーションの中では逆に変数が展開されません。
シングルクォーテーションも別の書き方ができます。
これまで普通に書いてきましたが、q{...}
という書き方がそれです。
書き方は好みの問題で、特に重要なメリットはありません。ダブルクォーテーションとシングルクォーテーションの書き換えが簡単になるとか、クォーテーションマークのエスケープが不要になるという程度のメリットは有りますが、それほど重要ではありません。
好きなように書くのが良いと思います。
さて、アプリケーションのルートからリダイレクトしてくると、user
にはnqounet
という文字が入力されているので、出力はHello nqounet!
となります。
Line 15
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最後のお約束です。
書いてなかったらどうなるのか、興味をもった方は試してみてください。
大丈夫です。壊れたりはしませんから。
多機能だけど必要なところだけ使えばOK
パラメータを扱えると、いよいよウェブアプリっぽい感じになってきましたね。
せっかくパラメータを扱えるようになったので、チュートリアルからは離れますが、次回はフォームを作ってみたいと思います。
皆さんも美味しいところだけをうまく使ってサクッとウェブアプリを作ってみましょう。
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